リサイタルへの誘(いざない) 〜序〜

9/14(火)、宗次ホールでのリサイタルのご案内を連載します。

 

 

自分自身の中では、「皆さんこんにちは〜」で始まるトーク付きのものや、耳馴染みの良いカンツォーネやよく知られた日本の歌を多く選曲してお客様に楽しんでもらうことを主目的としたものを”コンサート”、自分が専門的に学んだ芸術作品を純粋に歌唱のみで発表披露するものを”リサイタル”と位置づけていて、オペラや「第九」などオーケストラを伴う大規模なステージを除けば自分の演奏活動のほとんどは”コンサート”という中で、本格的な”リサイタル”は5年ぶり、2回目の機会です。また、その1回目は自分の個人主催での公演だったので、今回のように公共音楽ホールさんの主催(選曲も全くの自由という条件)によるリサイタルは実質初めての機会となります。

 

 

もともとパヴァロッティやデル=モナコなど、世界的な歌手に憧れてその音源やリサイタル(トークなど一切無く、本番中に歌声以外の彼らの声を聞くことはありません)の映像に胸をときめかせながらこの道を歩んで来た自分にとって、彼らと同じスタイルで”リサイタル”が出来ることは、オペラで主演することと双璧を成す、歌手として最大級に光栄なことだと思っています。思えば5年前に初めて自主公演でリサイタルを行った時は30代の最後、40歳になる前になんとか形だけでも、と印刷物や会場予約、集客など運営もすべて自力で(もちろん周りの人たちにも助けてもらいながら)制作したのですが、今回は宗次ホールさんからお声がけを頂き、名古屋が誇る立派なクラシックホールの主催でのリサイタルということで、前回にも増してモチベーション高く、また自分にプレッシャーもかけつつ準備を進めているところです。

 

 

コロナ禍にあって個人での宣伝・広報活動も極めて限定的にしか出来ない状況ということで、これからこのホームページのブログで、当日演奏予定のプログラムを一曲ずつご紹介していこうと思います!本番の会場では簡単な短い解説文(本人が作成)付きのパンフレットも配布されますが、それよりも少し楽曲を深掘りしながら、またその曲にまつわる個人的なエピソードなどもご紹介しながら、全16曲ぶんを連載して行く予定です。

 

 

今回は「〜序〜」ということで、何はさて置き歌の演奏会に一番大切な伴奏者、秀平雄二さんを写真と共にご紹介しますね!

 

 

母校で声楽の講師を務めていた時に、当時大学一年生だった彼が門下生の試験の伴奏者としてレッスン室に来た時のことをよく覚えています。以来10数年、たくさんのステージ、様々な種類のコンサートで共演して来ました。門下生の発表会から藤原歌劇団のベテランソリストたちとの華やかなコンサート、小学校の体育館や音楽室でのアウトリーチから東京でのオーディション、デビューCDでの収録、故郷の主催公演での伴奏など、自分の多様なステージ活動においてどのシーンでも共演機会があるのが秀平雄二さんです。それゆえに幅広く自分の音楽性やレパートリーを理解してもらっていて、音楽観みたいなものも共有出来ているので常に信頼して身を任せて歌わせてもらっています。若くして既にプロ・オーケストラとの共演や海外公演も果たし、研鑽を積まれた末にこの地方の同世代のピアニストでは群を抜いた音楽歴と経験を持つまでに成長されています。リサイタルではその素晴らしい演奏技術(特に弱音の妙は必聴!)で歌の世界をさらに豊かに彩ってくれることでしょう、皆様どうぞ秀平雄二さんのピアノにご期待下さい!

 

 

 

(※写真右下:秀平さんと小学校アウトリーチでのひとコマ。今年もリサイタルの後にいくつかの小学校に二人で訪問予定です!)