下関・川棚でのおんかつ事業

先週は温泉地として県内でも有名な山口県下関市の川棚でおんかつ事業でした。

 

総合支援学校、一般女声合唱団、樹齢1000年を超える大樹の前での野外コンサート、中学校の吹奏楽部員と、対象年齢も環境も異なる4箇所を訪問して最終日にはコンサートを行いました。

 

地域の公共音楽ホールをより活性化させることがメインテーマですが、それに伴うこうした学校訪問や関連事業の持つ役割も大変大きく、普段オペラやコンサートの舞台で演奏する時とはまた違う価値観や充実感を味わう事ができます。

 

おんかつ(訪問事業)で自分にとって難しいのはその”バランス”で、対象者に提供するのはコンサート(=鑑賞会)でもなくクリニック(=指導)でもないということ。アウトリーチと呼ばれる特に近年盛んになっている音楽や舞踏などの伝達手法ですが、実に様々な方法があり、プレーヤーに完全に任された全く自主的な自由なプログラムなのです。

 

受け入れ側スタッフもアウトリーチ対象者も、時にはプレーヤー側でさえ直前までどんな内容かは具体的には知らされず、一度成功したアウトリーチの手法が必ずしも毎回通用するということでもないので、常に内容を変化させながらその現場でのインスピレーションや環境に即座に反応していく技量も問われます。

 

今回はトランペット(高見信行さん)とピアノ(新居由佳梨さん)とのトリオだったので、お二人からもたくさんのヒントを得ながらまた新しい”引き出し”を作ることができました。これからもまた機会が有ればどんどん新しい手法に挑戦してみたいと思います。

 

期間中はプレーヤーに加えて同行スタッフ併せて7人で常に行動しました。まさに「寝食を共にする」ほどの距離感で、ワゴン車に乗り、絶えず相談し、食事をし、酒を酌み交わし、風呂に入り、泣き、笑い、と、チームとして一丸となって事業に取り組むのも素晴らしい時間でした。何よりアウトリーチ対象者や聴衆からもらう感動を共有できることの喜びは、一人の時の数倍にも大きく感じるものですね。共演者のお二人、同行スタッフの皆様本当にありがとうございました!

 

またこれからも色んな場所でこうした活動が出来ると嬉しく思います。

 

 

(※写真は各会場でのアウトリーチ風景と最終日のコンサートより。内田雄二さん(上段中央)、Manabu Hiedaさん(下段中央と右の2枚)、他よりご提供頂きました。)