10/5の「トゥーランドット」に向けて、連日の早朝リハです!
1ヶ月以上にわたる広島生活の余韻がまだまだ収まらないまま、次のオペラ出演のための準備が始まっています。10月5日(日)に新潟県柏崎市文化会館アルフォーレ大ホールで上演予定の歌劇「トゥーランドット」で、主人公トゥーランドット姫の住む宮殿で廷臣として従事するポン役を演じます。
作曲家はロッシーニからプッチーニへ移り、「セビリアの理髪師」の初演の1816年から110年後に初演された「トゥーランドット」(1926年初演)は、19世紀全体を通して発展してきたロマン派オペラの集大成または終着点とも言うべき作品で、強靭な声が必要なキャストと大編成の合唱による声楽陣だけでなく、大掛かりな打楽器群を要するオーケストラを含む全体の音楽的にも、そして豪奢な衣装や大掛かりな舞台セットなど舞台全体の視覚的にも、あらゆるイタリアオペラ作品の中でも最大級のスケールを持つ特別な演目です。同じく大規模な作品として知られる「アイーダ」(ヴェルディ作曲)と並び、まさに”これぞオペラ!”と言うべきスケールの大きさがこのオペラの最大の魅力ですね。(なお今回は演奏会形式での上演です。)
シリアスな物語の中にあって唯一、喜劇的な役割を与えられているのがピン、ポン(今回自分が演じる役)、パンの3大臣。常に3人ひと組で登場して”三すくみ”で歌い演じるのでコンビネーションが重要…と言うわけで3日連続で朝10時からのリハーサル!指揮者の柴田真郁さんによる連日の音楽稽古でコンビネーションを高める作業に励みました。休憩中の雑談でも大いに盛り上がり(笑)、来週の通し稽古に向けて3人のチームワークもバッチリです!
二つの有名オペラ作品における110年という間隔の中で、声楽技術面でも演奏様式面でも、オペラという芸術がこれほどまで変化・発展したんだなと感じずにはいられません。幸運にもこれからの半年の間に2回も「トゥーランドット」に出演させてもらえるので(3月にびわ湖ホールでも同役で出演予定で、こちらは通常のオペラ上演です。)、これから存分にこの作品と向き合う時間を楽しみたいと思います。まずは柏崎市での公演に向けて頑張ります!
(※写真左より、指揮者の柴田真郁さん、伴奏ピアニストの井向結さん、ピン役の阿部泰洋さん、本人、パン役の渡辺康さん。)