29日(土)は「皇帝ティートの慈悲」に題名役で出演します。
これでモーツァルトのオペラ作品は8つ目(9役目)となり、特に作曲された年代の後ろから数えて5作品連続で出演機会に恵まれました。また最初期(まだ12歳)に書かれた「バスティアンとバスティエンヌ」と、最後の「皇帝ティートの慈悲」の両方を歌えることは本当に幸運なことです!
実在したローマ皇帝ティート(ラテン語名:ティトゥス)が親友をはじめ周りの者から政治的な裏切りを受け、怒りによる厳罰か慈悲の心で赦すべきかで悩み苦しむストーリーですが、これまで他に演じたことのあるミトリダーテ(モーツァルトの同名オペラ)やアルジーリオ(ロッシーニ「タンクレーディ」)に比べると、いわゆる皇帝=王様としての強権や戦争での武力の強大さよりも、一人の人間としての弱さや孤独さが際立っているように思います。モーツァルトは他にも「羊飼いの王様」や「イドメネーオ」でも王様役をテノールに当てがっていますが、生涯最後のオペラで表現した王様像がこのティート役であり、その芸術的到達地としてこの作品を上演することに大変意義深いものを感じています。
かっぱ橋歌劇団さんでの出演も回数を重ねてすっかり打ち解けて来ました、リハーサルも食事会も毎回とても楽しい時間となっています。本番まで体調に気を付けて、出演者皆さんと一緒に良い舞台となるよう引き続き頑張りたいと思います。皆さまのお越しを奏楽堂でお待ちしています!
(※オーケストラ合わせの後に初日組出演者の皆さんと。)
