オペラ&ロッシーニ&広島が終了!

アステールプラザでの「セヴィリアの理髪師」が無事終演しました!

 

関係者さんによると「おそらく広島で初の『セヴィリアの理髪師』上演、初のロッシーニ作品上演」とのことで、お客様はもちろん、オーケストラや出演者の多くも初めて触れるオペラ作品となったそうですが、この日の上演では序盤から大きな拍手が続き、時に笑い声も聞こえるほど会場全体が盛り上がってくれました!

 

 

客席が沸いている様子はステージで歌い演じる出演者にも伝わり、大きなエネルギーをもらって益々表現力も豊かになっていったと思います。特にこうした喜劇(ブッファ)のオペラでは出演者の”ノリ”が客席にも伝わり、相乗効果でまた盛り上がっていくものですね。岩田さんの演出の妙やステージセットの美しさ、そして広島交響楽団と歌手を束ねる指揮者の園田さんによる極上のロッシーニの音楽がしっかりお客様に伝わったような手応えを感じました。(自分が歌う時は必死でしたが!)

 

 

最終盤の大アリアの後は長く大きな拍手を頂きました。アルマヴィーヴァ伯爵役は出演シーンが多く、ドタバタ劇を巻き起こす張本人として何度も衣装やメイクを変更して舞台を走り回った末に、テノールとしては信じられないくらいに長大で至難のアリアを歌わなければいけません。この日もヘトヘト、ヘロヘロになりながらなんとか歌い切りましたが、たくさんの拍手をもらうことが出来て本当にありがたかったです。カーテンコールもみんなで何度もお辞儀を繰り返し、ようやく緞帳(どんちょう)が降りた後は舞台上でお互いに声を掛け合って喜びを分かち合いました!

 

 

おかげさまでこの作品には何度かご縁を頂いて来ましたが、何度やってもやり残す事があったり理解が及ばない場面があったりと、まだまだ手の内に入りきってないような感覚がありますね。一見して、楽しそうでシンプルな喜劇ではあるのですが、物語の中の登場人物として歌い演じるとやはり奥深いものを感じます。喜劇とは言えそこは芸術作品、何度も上演回数を重ねることで浮かび上がってくる作品の真髄が表現出来るよう、これからも機会が巡って来た時はまた挑戦し続けたいと思います。

 

 

1ヶ月以上にわたって滞在した広島ともお別れ。出演者、スタッフ、関係者皆さまには本当に長い間お世話になりました。そしてご鑑賞頂いたお客様、本当にありがとうございました!また広島で歌えますように。

 

 

 

(写真左上:本番当日のカーテンコールの様子。   左下:終演直後の楽屋通路で。演出家の岩田達宗さん、指揮者の園田隆一郎さんもご一緒に。   右上から3つ:まるで”コスプレ”?のような伯爵役の色んな衣装。   右下:後援会から立派なお花を頂きました!たくさんの会員様が観てくれました、ありがとうございました。)