山口県から東京へ✈️

岩国市で歌ったその足で飛行機に乗り、明日は東京の町田市で歌います。

 

 

山口県の実家から車でおよそ1時間。岩国市にあるコンサートホール「シンフォニア岩国」は1200席の大きな会場で、ここで歌わせてもらう度にその響きの素晴らしさに感激します。これまではオーケストラや合唱との共演(「メサイア」「第九」)でしたが、今回初めてピアノ伴奏(迫千月さん)によるソロという形で約30分間歌わせて頂きました。アリアと日本歌曲、そしてこの日のコンサートを主催されたソプラノの赤川優子さんと二重唱を2つ歌いましたが、緊張しつつも気持ちよく歌えたのはホールの豊かな響きに助けられたところもありましたね。

 

 

なお演奏会前半は地域の声楽愛好家さんたちによる”いわくに声楽の会”(赤川優子さん主宰)の会員の方々が出演されたのですが、このような立派なホールで沢山のお客様の前で歌える機会があって、とても恵まれてるなと羨ましく思いました。もちろん普段の練習室やレッスン室でも沢山のことを学ぶと思うのですが、やはりクラシックの醍醐味は「広い会場での生の音色の魅力」なので、こうした大きなホールで歌うことが何よりの成長の糧になるのだと思います。そして舞台上でお客様から拍手をもらうことは他の何にも変え難い喜びであり、何よりの励みにもなりますね!素晴らしい先生のもと、会員皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。5周年&ご盛会おめでとうございました!

 

 

終演後に会場を出たその足ですぐに岩国空港へ。自宅のある名古屋を飛び越えて、羽田空港まで移動となりました。そして明日12日(水)は町田市のポプリホール鶴川で門下生の声楽研究発表会です。

 

 

9年間勤めた名古屋芸大時代の教え子に現在勤める桜美林大学の学生も加わって、初めて東京のホールで発表会を開催することになりました。20代〜30代前半という若い出演者のキャリアは既にプロ活動をする者から学生までさまざまですが、それぞれのペースや距離感で好きな声楽と向き合ってくれている姿を見て心から嬉しく思います。明日は久しぶりに客席から聴く教え子たちの声を楽しみにしています。

 

 

なお蛇足ながら自分自身も出演します(苦笑)。師匠と弟子の関係もなんのその、ソロのコーナーのプログラム順は忖度無しの「あみだくじ」で決まり、結果2番目の出演順となっています(笑)。普段はどうしても先生と教え子という関係にはなりますが、舞台で共演する時は同じ歌手同士として音楽の神様のもとに平等ですので、ソロでも二重唱でも教え子たちに恥ずかしくないような歌が歌えるよう頑張りたいと思います。(余興で初めてマンドリン演奏もします!)

 

 

また出演者全員は声楽の入門時に学んだ”Caro mio ben”というイタリア歌曲を必須で歌い、「聴く人から否応無しに比較されてしまう」という”シビアな状況”になっています(笑)。これは大学の実技試験やコンクールなど他人と優劣を競い合う機会があった時に、声種や得意分野の違いからたいていの場合はそれぞれが全く違う曲目で比較されることから”審査結果を正面から受け入れにくい”というこの業界特有の環境へのアンチテーゼとして、あえて声楽の教科書1ページ目にあるような”Caro mio ben”を課題曲として全員が歌うこととしました。そして「いつも初心を忘れずに」という思いも込めて、全員で思い思いの自分だけの”Caro mio ben”をお届け致します。(7分以内の待ち時間なのでもう一方は任意で選曲されています。)

 

 

全体は3部構成、ソロのコーナーと日本の歌コーナー、そして重唱アンサンブルのコーナーとなっています。歌曲あり、アリアあり、唱歌あり、ポップスあり、ミュージカルあり、カンツォーネあり…(長い&多い!)18時開演でおそらく20時半を超える予定の山盛りプログラムですが、有料コンサートではなくあえて発表会としたこともあって、お客さんを喜ばせるためというよりは出演者それぞれが普段研究を重ねている声楽技術や楽曲をホールで実演して、その成果をお互いが認め合うというのが本質のコンサートです。まだまだ成長の道のりの真っ只中のメンバー(指導者も含む)ですが、どうか多くの方にご来場頂いて若い彼らを温かく見守ってもらえたら幸いです。

 

 

(写真左:明日のデビューを待つマンドリン。中古品をヤフーオークションで競り落とした時は4,000円程度、その後の修理費で10倍(4万円)かかった愛蔵品ならぬ「愛憎品」。  右上:シンフォニア岩国客席。  右中:同、ステージ。  右下:当日のパンフレット。)