歴史ある旧奏楽堂で

いよいよ明日は「ポントの王ミトリダーテ」の本番です。

 

 

今日、本番の会場の「旧東京音楽学校奏楽堂」でゲネプロが行われ、初めてこの由緒ある建物を訪れました。少し早く来て楽屋入りの前に建物の周囲をぐるっと回り、日本最古の音楽堂として名高い旧奏楽堂の佇まいをしばらく鑑賞しました。滝廉太郎(銅像が設置されています)や山田耕筰などの作曲家や、日本人初の国際的オペラ歌手である三浦環、国民栄誉賞歌手の藤山一郎など、日本の音楽界の偉大なる先人たちが活躍された由緒ある舞台に畏敬の念を抱かずにはいられません。(注:明治時代の1890年に創建されましたが1987年に移転し、現在の建物は復元されたものです。)

 

 

約300席の客席は舞台から見ると想像以上に傾斜を感じました。歌っている目線より高い位置に多くの客席があるので、ついついアゴが上がってしまいそうですね(笑)。響きはもちろん現代の一般的なクラシック音楽ホールとは異なりますが、どこかイタリアの田舎の劇場を彷彿とさせる、素朴で純(ピュア)な音色の聞こえ方に独特の趣がありました。

 

 

この会場で衣装を付けてオペラ作品を上演するのはきっと貴重な機会だと思いますが(ステージやバックヤードがオペラ上演を想定した作りではないため。今回もセミステージ形式でセット無し、演技も最小限です。)、先述の三浦環が”日本初のオペラ上演”を行ったこの由緒ある旧奏楽堂に同じくオペラ作品で出演することが出来て本当に嬉しいです。ご縁を頂いた主催のかっぱ橋歌劇団さんに感謝しながら、明日はいい声で歌えるよう頑張りたいと思います。

 

 

ダブルキャストで昼組(12:00開演)、夜組(16:30開演)の2公演(中井は夜組)です。なかなか上演されないモーツァルトの初セリア作品「ポントの王ミトリダーテ」、どちらの組にもどうぞ聴きに来て下さい!

 

 

(※写真左上:今日撮影した旧奏楽堂外観。夏の上野公園の蝉時雨の中で。  右上:ステージから見た客席。ひと席おきにコロナ対策の張り紙が有りましたが、奏楽堂に縁のある音楽家たちの肖像画や写真がプリントされてありました!  左下:ゲネプロの様子。字幕も有ります。  右下:同じく今日撮影した滝廉太郎の銅像。)