新しい年、新しい試み

 

明けましておめでとうございます。国際コンクールのお知らせです。

 

 

本日2021年1月5日より、「第1回バーゼル国際声楽コンクール」の予選エントリー期間(〜2/14締切)が始まりました。新型ウイルスの世界的規模での感染拡大による厳しい環境の中、予選本選を通じて”すべてオンライン”での審査による新しい形式での国際声楽コンクールです。参加者はスマホも含む自由な撮影機材により自らの歌唱をYouTubeにアップし(限定公開=審査員しか視聴出来ません)、それを審査員がそれぞれの場所で視聴し審査するものです。

 

 

今回その審査員としてこの新しい形のコンクールとご縁を頂きました。どのくらいの人数がエントリーするのか、どんな国籍の参加者が挑戦するのか、そして画面を通して届く声や音楽をどのように審査するのか、期待と不安が入り混じる心境で今日のエントリー初日を迎えました。コロナ禍でどうしてもネガティブなニュースが多い中、こうした前向きかつ大胆な発想と固い信念による実行力で、プロアマ問わず常日頃から歌を研鑽するすべての人々にコンクールの門戸を開くことを実現された主催関係者に、心から敬意を表したいと思います。

 

 

締切の2月14日まで1ヶ月余りという、断続的にエントリーされるであろう予選期間の長さも、これまでのコンクールではあり得ないシステムでとてもワクワクしますね。どのタイミングで動画をアップするのか、参加者それぞれ熟慮されていることと思います。(“第1回”なので前例が無いため、過去の参考資料などもありません。)

 

 

この完全オンライン形式のメリットは様々で、まず世界中のどこからでも交通費はかかりません。慣れないドレスや喉を締め付けるネクタイに悩む必要もありません。コンクール会場でのあの長い待機時間(発声練習やウォーミングアップもままならない時もあります)も一切ありません。なにより、納得いくまで何度でもトライした上での最良のワンテイクを応募出来るという、コンクールやクラシックコンサートに付き物の”本番一発勝負”という概念が取り払われたこの条件は、参加者にも審査する側にも、この上無く新鮮な体験となることでしょう。

 

 

3月下旬の本選審査及び結果発表まで、コロナ禍での新しい試みによる「新時代のコンクール」を見届けたいと思います。皆様もどうぞご注目下さい。

 

 

※[第1回バーゼル国際声楽コンクール]  特設ホームページ

https://www.klassikwettbewerbbasel.info/