「マエストロ(巨匠)」から伝授されながら

7月の藤原歌劇団公演「ランスへの旅」のリハーサルが続いています。

 

1月の「ファルスタッフ」に続きアルベルト・ゼッダ先生の下で歌わせてもらう光栄、しかも2007年のイタリア・ペーザロでのRossini Opera Festival以来となる「ランスへの旅」での出演という幸運を喜びつつ、やはりゼッダ先生のロッシーニ作品への厳しさ、芸術への厳しさを目の当たりにして改めて身の引き締まる思いでリハーサルに取り組んでいます。

 

 

ロッシーニ研究の世界的な権威であるゼッダ先生(87歳!)と、他でもないロッシーニ作品を上演することは本当に意義深いことと、リハーサルを通じていつも思います。ゼッダ先生によって1984年に約150年ぶりに復活上演されたのがこの「ランスへの旅」であり、それによってロッシーニという作曲家の再評価(むしろ真価)が世界中で知れ渡ることとなり、同時にロッシーニ以外の作曲家も含むオペラ作品の音楽解釈や歌唱技術の変革にまで影響を与えたとも言われています。その意味でもゼッダ先生と「ランスへの旅」の組み合わせは特別なものであり、個人的にも自分のキャリア(経歴)の上で重要な機会となるのは間違いありません。

 

 

本番まで10日余り。リハーサルが佳境を迎えつつある中で、この有意義な時間、何十年先も必ず思い返すことになるであろう特別な日々が終わろうとしていることへの寂しさをすでに感じつつ、残された時間でなるべく多くのことをマエストロから伝授してもらえるよう願っています。きっと素晴らしい公演になるのでどうぞ皆さんご期待下さい!!

 

 

(※佐藤さん、砂川さんと音楽稽古。藤原のプリマドンナお二人への緊張も束の間、マエストロのご指導に頭を抱えてます……)