”我らがテナー”藤原義江ゆかりの地へ

大阪府高槻市での演奏会を終え、明日は山口県下関市へ移動です。

 

藤原歌劇団の創始者であり、日本のオペラ文化の父とも言うべき藤原義江は”我らのテナー”の愛称からも分かる通り、広く一般の聴衆からも愛されていました。その藤原義江出身地である山口県下関市で、藤原歌劇団主催としては史上初となる演奏会が開かれ、同県出身の私も出演させて頂くことになりました。

 

山口県出身の団員が勢ぞろいし、ピアニストには藤原義江のお孫さんである藤原藍子さん、そして同団のプリマドンナである佐藤美枝子さんが花を添えて下さいます。また地元の下関市立熊野小学校の合唱クラブの子供たちも出演予定で、本物のオペラ歌手との共演はきっと貴重な機会となることでしょう。素晴らしい思い出になってくれたら嬉しいですね!

 

プログラムは藤原義江の上演したオペラ作品からアリアや重唱、留学先のイタリアから日本に持ち帰って紹介したカンツォーネ(3人のテノールによる競演!)、そして愛唱した日本の歌の数々を、それぞれの歌手が歌い継いでいく形式です。幕間には藤原義江の録音や映像をご紹介するコーナーも予定されているそうです、オペラファンの方もオペラが初めての方もどうぞお楽しみに!

 

 

(※写真は山口新聞に長期連載されたフィクション小説「漂泊者のアリア」。藤原義江を主人公に、当時のオペラ界や周辺を取り巻く人間模様などが虚実取り交ぜて描かれていますが、それ自体が藤原義江の人物像、或いはオペラ界そのものを表しているようでもあり、自分も含めオペラ歌手とはファンタジーとリアルの狭間に生きているのかも……と考えさせてもくれます。)