ラジオリサイタル収録曲について

昨日今日と東京でオペラのリハーサルでした。11月の『蝶々夫人』の音楽稽古です。

団体の垣根を越えて、国内の一流歌手の皆さんによるハイレヴェルな声に溢れたリハーサルでしたが、その素晴らしさに同じ空間にいるだけで自然と興奮してしまいました。人間の声の可能性に改めて気付かされたとても有意義な時間となりました。

 

今回は2回公演の両日に出演するため、異なる声の組み合わせに稽古場でも本番でも接することが出来ます。嬉しいですね!今から11月の本番が本当に楽しみです。

 

 

 

 

さて、来週26日(水)はNHK名古屋放送局のラジオリサイタル番組の収録です(※詳細はスケジュール欄をご参照下さい)。

 

明日はそのリハーサル、ピアニストはこれまでも何度も共演させて頂いた石山英明さんです。

 

普段のコンサートと少し異なるのは、放送時間の制限があるため一曲ずつ秒単位で正確に予定時間内に納めること。調子が良くて高音を伸ばし過ぎたり、不調の時に少しゆっくりめのテンポで慎重に歌ったりという「生演奏=ライブ」ならではの自由さは今回ちょっと我慢して、ある程度想定されたテンポ感を体に覚えさせる作業が必要です。

 

 

 

さて、プログラムの中の歌劇『愛の妙薬』のアリア”人知れぬ涙”では、作曲者であるDONIZETTI(※写真)自身が書いた「Variazione=ヴァリエーション、変奏」付きで演奏してみようと思います。

 

1832年の初稿版から11年後の1843年の秋にDONIZETTIが書いた自書原稿では、初稿版から移調(調性の変更、短3度低くされている)と同時に、旋律にいくらかの印象的な装飾が加えられています。(Ricordi出版/Donizetti~Arie per Tenore~ リコルディ出版/ドニゼッティ・テノール・アリア集)

 

パリ国立図書館でこの楽譜を発見したのが、ロッシーニ研究の世界的権威であり、指揮者として指導者として私のキャリアに大変大きな影響を与えて頂いたAlberto Zeddaアルベルト・ゼッダ先生です(Galleryページに写真有り)。

 

Zedda先生の底知れぬ探究心、徹底して真実を知ることへの真摯な取り組みに心から敬意を示しつつ、作曲された当時の演奏様式に迫る良い機会になればと思っています。(ご興味のある方は無料動画サイトYou Tubeで[florez furtiva decca]で検索して試聴してみて下さい。)

 

 

今回はその一部分のみ採用して歌いますが、テノール・ファンなら聞き慣れた名旋律に「ほんの少し」色合いを加えた新鮮な”人知れぬ涙”にどうぞご期待下さい!

 

 

 

<予定プログラム>

 

G.ROSSINI    歌劇『アルジェのイタリア女』より”美しい人に恋焦がれて”

G.DONIZETTI   歌劇『ドン・パスクワーレ』より”哀れなエルネスト!~遥かな土地を求めて”

W.A.MOZART   歌劇『女は皆こうしたもの』より”間もなく許婚の腕の中に”(二重唱)

G.DONIZETTI  歌劇『愛の妙薬』より”人知れぬ涙”

C.A.BIXIO     マンマ

S.CARDILLO   カタリー