夏の終わり

『夢遊病の女』が終了致しました。見て下さった皆様、本当にありがとうございました。

自分も含め、出演者全員に大きな事故や体調不良も無く、カンパニー全員が最後まで揃って楽しく舞台を完成させることが出来ました(長丁場のオペラ制作ではそうでない時も多いのですが)。

 

写真は終演直後の打ち上げ、2組のキャストも合唱も指揮者も入り混じっての酒宴は大いに盛り上がりました!!

 

 

既報のとおり、直前に(少々電撃的に?)藤原歌劇団に入団したことから、奇しくもこれが団員としてのデビュー公演となりました。その意味でも、前回2010年の『タンクレーディ』(客演)と同じく、自分の生涯の音楽活動において本当に大きな大きな公演として記憶に残ることと思います。

 

稽古場の記憶ももちろん、本番の舞台からの景色、カーテンコールでのお客様からの拍手、日々過ごした共演者やスタッフの皆さんとの思い出は、まさにそれぞれがオペラのひと場面のように心に刻み込まれています。本当にありがとうございました。

 

 

BELLINIの崇高な音楽がどこまで表現できたかは決して自信を持っては言えませんが、初めてこの作曲家の作品に挑戦できたこと自体をとにかく嬉しく思います(藤原歌劇団でも21年ぶりの上演)。日々自分の技術的限界を感じざるを得ない難しさの中にあっても、「なんとしてもこの作曲家の音楽を歌いたい」という希望があればこそ、なんとか心折れずに完走することが出来たように思います。

 

音楽的にあらゆる場面で助けてくれた指揮者の園田さん、人物像と演技面で迷った時に自信を持たせてくれた演出の岩田さんには、特に大きな感謝を。素晴らしいお仕事が一緒にできて幸せでした。

 

 

 

毎度のことながら、「舞台がハネタ」あとの虚無感・喪失感は、それが充実していたもので有ればある程ギャップが大きく感じるもので、今も少しセンチメンタルな思いを感じつつ、ひと夏を過ごしたマンスリーの部屋を片付けているところです。

 

 

明日は愛知県岡崎市の病院内のサロンでコンサートに出演します。今から新幹線の中で明日演奏する楽譜を見ながら、この夏で少し日焼けした肌と同じくらい体に染みついた『夢遊病の女』の音楽から少しずつ切り替えていこうと思います。

 

 

 

2012年の夏が終わりました。秋もイイ季節になりますように!!