”F難度!!”(体操と声楽の類似?)

「もう寝なくては」と思いながら、やっぱりオリンピックは見てしまいます。

今日は男子体操個人総合の内村選手の金メダル獲得の話題でもちきりでした。昨夜は生中継を最後まで見て興奮のままなかなか寝付けませんでした。

 

 

スポーツ観戦は全般に好きですが、最近は採点競技、特に事前に試技内容が決まっているフィギュアスケートやこの体操競技などに特別な興味を持って見てしまいます。

 

あらかじめ選択されたフィギュアのジャンプ技(トリプルアクセル、4回転などなど)や体操の鉄棒のE難度やF難度と呼ばれる難技に向かって、イチかバチかにも見える勇気を持って挑むその姿、成功と失敗の”天国と地獄”、客席に広がる観客の期待感と隠し様の無い絶望感……

 

 

まさに歌と同じ!(自分だけ??)

 

 

本当はキツい場面でもそれを表情に出すことなく、むしろ飄々とこなしているように見せる”やせ我慢”のような美学、ジャンプや大技(歌の場合は高音)だけじゃなく着地や全体の構成なども大事…..と選手も観客も分かっていながら、やっぱりジャンプや大技を重点的に見て判断してしまう刹那…..

 

 

オリンピックに出場するような一流選手のメンタルの強さと、鍛え上げてきた自分の技術への信頼がテレビから伝わってきたような気がしました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

さて、掲載した絵は「夢遊病の女」のテノールの登場部分のアリアの楽譜を伴った、この作品を初演した二人の偉大な歌手です。

 

ソプラノのジュディッタ・パスタとテノールのジョヴァンニ・バッティスタ・ルビーニ。

 

 

マリア・カラスやエンリーコ・カルーゾでさえ及ばない、伝説的な名歌手としてイタリア・ベルカントオペラの歴史に名前を残しています。

 

 

作曲者と同時代に活躍し、彼らの技術と芸術を最大限に発揮するために書かれた「夢遊病の女」。今こうしてその楽譜に挑む事への畏怖と喜び。

 

 

「伸身のトカチェフ」「抱え込みモリスエ」「コールマン」など、先人の編み出した技をしっかりと受け継いだ体操競技の表彰式の余韻の中で、ベッドの中で目を閉じるといつの間にかオペラ史上の偉大な歌手たちの面影が浮かんできました。