楽譜と過ごす日々

東京(厳密には神奈川県)でのマンスリーマンション生活が始まりました。

藤原歌劇団さんの『夢遊病の女』に客演させて頂くために、本番終了の9月まで継続して滞在します。門下生のレッスンや合唱団の発声指導のお仕事も中断、ひたすらリハーサルと勉強に明け暮れる、言わば「国内留学」みたいな感じですね。

 

日数をかけて一本の作品にじっくりと取り組めるという環境は意外と機会が少なく、こうして50日間にもわたって集中できるのは、留学中にロッシーニフェスティヴァル(イタリア・ペーザロ市)に参加した時を思い出してなんだか懐かしくも思いますね。

 

 

良い意味で自由な時間も多く、自分のレパートリーの中心にある(あってほしい!)イタリアオペラに没頭できる貴重な日々を大切に、ぜひこの成長のチャンスを生かしたいと思っています。

 

 

 

 

写真は使用する楽譜(Sonnambulaは題名のイタリア語。)。時代による表紙やカバーの変更はあっても、今も昔もこのリコルディRicordi版が世界共通の楽譜です。

 

 

1950年代にあのマリア・カラスがこのオペラの価値を再認識させることに成功し、その後も世界中の劇場や録音スタジオで演奏されてきた「夢遊病の女」。

 

 

そのほとんどの機会で使われてきたであろうこの楽譜を手に取る度に、オペラが伝統芸能であること、そして世界的文化なのだということを改めて感じさせてくれますね。