お寺でのイベントを終えて(2)

今回のイベントはコンサートだけではなく…..↓

 

お坊さんによるご説法                                                         立ち座禅の体験                                                            お坊さんプライベートインタビュー(「お酒は飲まれるの?」とか)                                        精進カレーの無料サービス                                                     法衣を染めたりする染料会社さんのオリジナル商品の展示販売                                        キャンドルイルミネーション                                                            建物外壁や境内樹木へのグラフィック映写                                             お坊さんによる公開お客様お悩み相談コーナー

 

など盛りだくさんの内容で、その一要素として歌のコンサート(約30分間)も構成されていたものです。

 

 

コンサートの直前は、広島県内外からこの日のために集結したお坊さんたちによる合同での「読経」が行われていました。大玄関と呼ばれる、コンサートステージ(本堂)すぐ横のお庭で、約10名のお坊さんが体を向き合わせて立ったまま読経されるのをお客様と一緒に拝聴したですが……

 

その声の響きの素晴らしさと言ったら!!!!!!

 

イタリアでも教会の聖歌隊の響きに感激した経験がありますが、この時の読経の響きもまた、心に(耳に)いつまでも残る強いインパクトを受けました。

 

多分、3つの声の高さ(3パート、3部合唱とでも?)があったと思いますが、落ち着いた心境(テンション)で滔々(とうとう)と流れるように読経するため、余計な緊張が無くしっかりと声帯が振動し、屋外でも豊富な倍音を感じるその響きを生むには、きっと喉仏が下がって咽頭蓋が開いていると思われました。そう、オペラの歌唱法と非常に近いとすぐに気付きました!!

 

かねがね、昭和の時代劇の役者さん(特に重厚な悪役)やお寺のお坊さんの発声は、オペラの歌唱技術と似ているのではないかと思っていましたが、今回改めてその意を堅くした次第です(笑)

 

いわゆる「様式美」というか、「古典」という意味で非日常的な豊かな響きを伴う音色を出すにはそれなりの訓練なり修練なり努力が必要なのですが(正に音楽大学がその場所です)、お坊さんは(多分時代劇俳優さんも)きっと無意識にそういう声色になったのでしょうね。代々の先輩和尚さんも周りも、読経の時はみんなその「響き」の中で過ごす……つまりは

 

”環境”、でしょうか。

 

声楽のレッスンで言葉や文章で”解説”するのも悪くはありませんが、音楽だけに、「耳」から自然と身に付くことも有り得ると思っています。

 

読経、やってみようかな……?

 

 

(写真はリハーサルにて。)