vol.15 ロッシニアン・テノール論~その2~

テノールの声の種類を分別する例として、かの三大テノール(L.パヴァロッティ/J.カレーラス/P.ドミンゴ)がよく紹介される。

 

これは僕の私見に留まらない、世界の常識的見解と確信して改めて解説するのだが、この3人はいずれもテノールの声を3つに分類(leggero軽い/lirico叙情的な/drammatico劇的な)した時の真ん中に位置する“lirico(リリコ=リリック/)”に属する声で、さらにliricoの中で3つに分けた時に軽い方から“lirico-leggero”のパヴァロッティ、“lirico-puro(純粋な)”のカレーラス、“lirico-spinto(押された、広げられた、圧力をかけられた≒しっかりした、やや重めの)”のドミンゴ、と3人が異なる声種であることが分かる。

 

ただし、異なるとは言え、大きく3つに分類した場合には同じあくまでも“lirico”のカテゴリーに入ることを見逃してはならない。 

 

liricoより重い・太い声のカテゴリーであるdrammaticoに分類されるM.デル=モナコやF.コレッリ、G.ジャコミーニなどの声はよりバリトンがかって聴こえるし、一方軽い方のleggeroのカテゴリーは我らがロッシニアン・テノールをはじめモーツァルト系テノールや第2テノールと呼ばれる準主役または脇役のテノールの声の持ち主のテリトリーといえよう(オペラではないが、カンタータやバロック時代の宗教曲を主戦場とするテノールもこの声種が多いように思う。)

 

 

ロッシニアン・テノールは当然、基本的にleggeroのカテゴリーに属する声の持ち主が多い。めくるめく高音、鋭敏なアジリタ唱、軽やかで明るい音色、うっとりするようなPP(弱音)・・・

 

 

でも、この常識の範疇に納まらないロッシニアン・テノールの分野がある事をご存じだろうか?

 

 

より重み・厚みを持った、しっかりした暗めの声(ほぼlirico-spintoに近い響き)と、最高音と最低音が2オクターブ半にも及ぶ音域をも求められ、なおかつアジリタの鋭敏性も必要という驚異的な声楽技術を要する役も存在するのだ。(続く)

 

 

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古代ローマ帝国の昔より、歴史に名を残すの人物のステータスの一つとして、貨幣(または紙幣)にその肖像を刻まれることが挙げられよう。 

 

こちらは1992年、つまりROSSINI生誕200年を記念に発行された500リラ硬貨。

ついでに調べてみると、他にもVERDI、DONIZETTI、MASCAGNI、BELLINIなどの貨幣・紙幣への登場が確認された。さすがイタリア。

 

 

日本では未だ一人として音楽家の登場には至っていない。